早春、くじゅうの山ではマンサクが咲き、
落葉広葉樹林では、早春の植物が花を咲かせます。
一方、草原の春は毎年3月頃に行われる
「野焼き」から始まります。
野焼きで一面真っ黒になった大地には、キスミレや
サクラソウなどの花が咲き、人々を楽しませてくれます。
5月になると、あたりはみずみずしい新緑に包まれ、
多くの生きものが元気に活動し始めます。
初夏、くじゅうの山頂付近ではミヤマキリシマが花を咲かせ、
山がピンク色に染まります。
九州でしか見られないこの風景を求めて、
全国から多くの登山者が訪れます。
湿原では、キスゲやノハナショウブが多くの花を咲かせ、
盆花として大切にされてきたヒゴタイも、
青いボールのような花を咲かせます。
短い高原の夏は、多くの生きものでにぎわいます。
9月になると、シラヒゲソウ、アケボノソウ、ワレモコウ…と
草原の植物が次々に花を咲かせ、秋の到来を教えてくれます。
そして10月中旬ごろ、山頂付近から紅葉が始まり、
くじゅうの山はあざやかな赤や黄に色づきます。
11月には高原の秋も深まり、
銀色のススキの穂がゆれる季節となります。
初雪が降る11月中旬、季節は静かに冬へと移り変わります。
九州とは思えない寒さとなるくじゅうの冬、
坊ガツルの気温はマイナス20度にもなります。
中岳直下の御池は全面凍結してその上を歩くことができるようになり、
暮雨の滝も凍結します。
高原では、多いときには50センチ以上も雪が積もります。
雪のタデ原では、キツネやノウサギ、テンなど野生動物の足跡が見られ、
静けさの中に生きものたちの息づかいが感じられます。
くじゅうの自然を体感できる立ち寄りスポットをご紹介します。
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長者原
ビジターセンター -
タデ原湿原
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男池園地
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牧ノ戸峠
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納池公園
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沢水キャンプ場
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大観峰園地
くじゅうを知る博物展示施設
阿蘇くじゅう国立公園くじゅう地域の自然を紹介する博物展示施設。くじゅうの自然や文化の展示や、旬な自然情報発信のほか、映像でもくじゅうの自然を体感できます。また、くじゅうの自然を知るだけでなく、登山前後の情報収集、休憩スペースとしても利用できます。
ラムサール条約にも登録されている貴重な湿原
季節ごとに様々な景色、動植物に出会うことができます。湿原内には木道が設置されており、20~60分ほどで気軽にくじゅうの自然を楽しむことができます。(一部コースは車いすも可。)
長者原ビジターセンターに隣接しています。
日本名水百選にも選定された湧水地
くじゅう連山の中で原生林が残る、黒岳にある湧水地。日本名水百選にも選定されており、湧水は自由に飲むことができます。また、男池周辺には散策路が整備されており、足を延ばせば「名水の滝」まで、森の中の散策を楽しむことができます。
久住山や中岳への主要な登山口
標高1330mのやまなみハイウェイ最高到達地点であり、久住山や中岳への主要な登山口として利用されています。舗装された急坂を10分ほど上がると展望台があり、飯田高原を一望することができます。
大分県の名勝にも指定されている公園
明治6年に、京都の嵐山などとともに指定された、由緒ある公園。大分県の名勝にも指定されています。園内にはスギの大木や湧水地があり、日本式の落ち着いた雰囲気の中を散策できます。
雄大な草原と、小川が流れる気持ちの良い森林が楽しめる
久住高原の雄大な草原と、小川が流れる気持ちの良い森林が楽しめるキャンプ場。
くじゅう連山のふもとの標高約850mに位置し、夏でも涼しいので、家族で夏のキャンプを楽しむのにおすすめです。
阿蘇五岳、くじゅう連山が一望できる景勝地
文豪「徳富蘇峰」により名付けられた景勝地。ここから見る阿蘇五岳は、「阿蘇涅槃像」と呼ばれ、早朝に阿蘇谷を覆う雲海は神秘的。くじゅう連山も南側から一望できます。