国立公園は、日本を代表する優れた自然の風景地であり、
世界に誇れる地域の宝です。
くじゅう連山を含む阿蘇くじゅう国立公園は、九州のほぼ中央、熊本県と大分県にまたがって位置しており、
阿蘇山、くじゅう連山、由布岳、鶴見岳からなる火山群と、その周囲に広がる
雄大な草原景観が特徴的な国立公園です。
阿蘇山(熊本県)
くじゅう連山(大分県)
由布岳(大分県)
鶴見岳(大分県)
久住高原(大分県)
タデ原湿原(大分県)
坊ガツル湿原(大分県)
草千里ヶ浜(熊本県)
くじゅう地域には、噴煙を上げる火山特有の風景のほか、久住高原や飯田高原などの草原、坊ガツル湿原やタデ原湿原などの
ラムサール条約登録湿地などが点在し、見どころが豊富な地域です。
くじゅう連山は、九州本土最高峰の中岳をはじめとする
久住山、大船山など1700m級の山々が連なり、「九州の屋根」とも呼ばれています。
くじゅう地域は、大分県に位置します。
くじゅう連山は、くじゅう地域の山々の総称であり、「久住山」はくじゅう連山の山のひとつです。
また、くじゅう連山の北側に「九重町(ここのえまち)」南側に「竹田市久住町(くじゅうまち)」があり、
一帯は「阿蘇くじゅう国立公園」に含まれています。
くじゅう連山標高一覧
| 01 | 1791m | 中岳なかだけ |
|---|---|---|
| 02 | 1786.6m | 久住山くじゅうさん |
| 03 | 1786.4m | 大船山たいせんざん |
| 04 | 1780m | 天狗ヶ城てんぐがじょう |
| 05 | 1774m | 稲星山いなほしやま |
| 06 | 1762m | 星生山ほっしょうざん |
| 07 | 1744.3m | 三俣山みまたやま |
| 08 | 1720m | 白口岳しらくちだけ |
| 09 | 1706m | 北大船山きたたいせんざん |
| 10 | 1698m | 扇ヶ鼻おうぎがはな |
| 11 | 1685m | 肥前ヶ城ひぜんがじょう ※登山不可 |
| 12 | 1643m | 鳴子山なるこやま |
| 〃 | 1643m | 平治岳ひいじだけ |
| 14 | 1587m | 高塚山 (黒岳)たかつかやま |
| 15 | 1580m | 硫黄山いおうざん ※登山不可 |
| 16 | 1550m | 天狗岩 (黒岳)てんぐいわ |
|---|---|---|
| 17 | 1522.1m | 岩井川岳いわいごうだけ |
| 18 | 1503m | 沓掛山くつかけやま |
| 19 | 1502.5m | 黒岩山くろいわさん |
| 20 | 1499.6m | 涌蓋山わいたざん |
| 21 | 1464.6m | 立中山たっちゅうさん |
| 22 | 1449m | 指山ゆびやま |
| 23 | 1447m | 上泉水山かみせんすいさん |
| 24 | 1423.2m | 猟師岳りょうしだけ |
| 25 | 1384m | 合頭山ごうとうさん |
| 26 | 1334.1m | 前岳 (黒岳)まえだけ |
| 27 | 1299.6m | ミソコブシ山みそこぶしやま |
| 28 | 1296m | 下泉水山しもせんすいさん |
| 29 | 1287.4m | 一目山ひとめやま |
| 1330m | 牧ノ戸峠まきのととうげ | |
| 1303m | 坊ガツル(法華院温泉山荘)ぼうがつる |
| 1040m | 長者原ちょうじゃばる | |
| 860m | 男池おいけ | |
| ※標高は国土地理院地図より引用 ※山名の読み方は、一般的なものを一つだけあげた。他に方言・訛りによる読み方のある山も存在する。 |

早春、くじゅうの山ではマンサクが咲き、
落葉広葉樹林では、早春の植物が花を咲かせます。
一方、草原の春は毎年3月頃に行われる
「野焼き」から始まります。
野焼きで一面真っ黒になった大地には、キスミレや
サクラソウなどの花が咲き、人々を楽しませてくれます。
5月になると、あたりはみずみずしい新緑に包まれ、
多くの生きものが元気に活動し始めます。
初夏、くじゅうの山頂付近ではミヤマキリシマが花を咲かせ、
山がピンク色に染まります。
九州でしか見られないこの風景を求めて、
全国から多くの登山者が訪れます。
湿原では、キスゲやノハナショウブが多くの花を咲かせ、
盆花として大切にされてきたヒゴタイも、
青いボールのような花を咲かせます。
短い高原の夏は、多くの生きものでにぎわいます。

9月になると、シラヒゲソウ、アケボノソウ、ワレモコウ…と
草原の植物が次々に花を咲かせ、秋の到来を教えてくれます。
そして10月中旬ごろ、山頂付近から紅葉が始まり、
くじゅうの山はあざやかな赤や黄に色づきます。
11月には高原の秋も深まり、
銀色のススキの穂がゆれる季節となります。
初雪が降る11月中旬、季節は静かに冬へと移り変わります。
九州とは思えない寒さとなるくじゅうの冬、
坊ガツルの気温はマイナス20度にもなります。
中岳直下の御池は全面凍結してその上を歩くことができるようになり、
暮雨の滝も凍結します。
高原では、多いときには50センチ以上も雪が積もります。
雪のタデ原では、キツネやノウサギ、テンなど野生動物の足跡が見られ、
静けさの中に生きものたちの息づかいが感じられます。


























